中国の刺繍文化・1

洋の東西を問わず、それぞれの民族のもつ文化に心惹かれます。
文様愛が強いのもそのため。生きること自体が困難だった時代、模様はただの装飾ではなく、邪気を払い、子どもや家族、一族そして自身の健康と長寿繁栄を願うものでした。その願いが、それぞれの民族ならではの美を纏って、時を重ねる中で形作られていったのでしょうね。
そうして紡がれてきた文化が、近代化の波にのまれて失われてしまうのは、ある意味仕方のないことなのかもしれません。今、世の中に溢れる便利なもの、時間とお金の節約になるもの、それらだって多くの人々の努力の積み重ね。現代の技術にはたくさんお世話になっていますので昔に立ち返ろうとは思っていませんが、無くなってしまう前に見たい、手に取れるものなら触れてみたい。そんな思いでおります。
多民族で構成される中国の工芸は地域や民族により多種多様。旅先で出会った刺繍や手元にあるものを少しご紹介します。

【ハニ族の壁掛け】

 

【トン族の履物】

【ヤオ族の腰帯】

【中国北方の虎頭靴】

リスニング力のために中国ドラマを何かしら見るように心がけているのですが、ついに歴史物に手を出しました。『瓔珞 エイラク』は清朝の宮廷内でのお話。着ている衣装の刺繍の美しさに惚れ惚れしています。