中国の建築1・・福建土楼・・

世界遺産や史跡などを目的に旅することはあまりないのですが、建築物には興味があり数年前に福建省山間部に暮らす客家(はっか)の方々の「土楼」を訪ねました。
南靖站(駅)から1.5時間ほど車を山中へ走らせ高北土楼群へ。入館料を支払い見学します。永定の土楼王と呼ばれる承启楼がいちばんの目当て。土楼では茶葉を販売したり(土楼紅美人という紅茶や薬膳茶をいただきました)、写真を撮るサービスをしたり、お土産物を販売されたりもしているけれど、今も50以上の家族が暮らす大きな大きな一族の住まいです。

土楼は丸いもの四角のもの色々あるけれど、円の中にさらに円の館が重なるこの土楼王は、本当に美しい。かつて賊からの攻撃にも耐えたという1,2メートルもの厚みの外壁は石と土壁からできていて、内部は歴史を感じる色濃い木材の木組みに提灯の紅色が映えて圧巻でした。この土楼王は上には上がれないので、記念写真を撮っていただきました。カラープリントしたA4用紙をパウチしたもので、ちょっと下敷きみたい。

円型の中心の広場では、バドミントンしたりおしゃべりをする人々。祖廟や共同の炊事場、お部屋の作りなど、人々が生活される場をこうもまじまじと拝見できるとはありがたいですね。裕昌楼も訪ね、その後四角のタイプの土楼では4階まで上がらせてもらい、最後は車で南靖の田螺坑土楼群へ。この全景を見ると、昔むかしにNASAが航空写真でミサイル基地かと勘違いしたのも納得。

夜は小さな小さな土楼をリノベーションされた民宿へ。園児くらいのお子さんと若夫婦、おじいちゃんが営んでおられました。山奥なので車の手配は必須ですが、この時はお宿の店主さんに相談し、「包车」として送迎も含めてもらい大変助かりました。おかみさんの作る客家料理はお野菜が新鮮でやさしい味付けでとても美味しい。客家料理は、日本人の方ならきっと好きなお味です。夜は、「蛍の大群が見られるよ、行ってみない?」とお声がけいただき、川沿いの散歩に連れて行ってもらいました。真っ暗な山の中たくさんの蛍が飛び交う。そっと捕まえた蛍をご一緒した別のお客さんにお見せしたりして。得難い経験でした。