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「女紅/女红/nǚ gong」は、ニュウホンではなくニュウゴンと読み、裁縫・刺繍などの針仕事全般を指す言葉です。中国では古くより「男耕女織」の文化があり、母から娘へ嫁へと受け継がれてきました。

古くは秦の統一前にもさかのぼり、唐~宋にかけて発展。官営工房も整い、技術が一気に洗練されました。時代劇でも女官や妃が刺繍を刺しているシーン、ありますね。
明~清には、「女紅=女性の徳」という価値観が確立し、嫁入り道具としての刺繍、地域ごとの様式もはっきり分かれていったそうです。
民国期に入ると西洋思想や女性教育の影響で都市部では下火になるも、農村部では以前女紅は行われていました。
近代化の波に飲み込まれた後に再評価され、保護されて現代に至るという軌跡。これは、特別なことではなく、世界の刺繍や織り、染めといった歴史を紐解いてもだいたい同様なのではないでしょうか。
それぞれの土地で、その気候や風土にあった形で受け継がれてきた手仕事。もとは生活のため。そこに意味合いが加えられていったとしても、文化を継承しようという大きな視点ではなく、元来とても私的な動機だったのでしょう。子や家族など大切な人のことを思いながら手を動かす。そんな折に扱われてきた素朴な道具に魅力を感じます。
これまでの販売では、糸を紡ぐ際の紡錘(スピンドル)の重り部分を、蓋置として見立ててご紹介してきました。


前回からは、ずっと探していた麻打ちの道具の麻鼓にも出会い、ちょっと大きいので半ば強引にですが、ご紹介してみました。


そして今回新たにご紹介するのが、こちらの糸板。糸を巻いておくための道具です。地域により大きさや長さは、いろいろあるようで面白いのですが、茶枕や蓋置に見立てやすい小さめなものを集めてみました。


私が手に取るのは、美術工芸品のような緻密な美しさを誇るものではなく、実際に使われてきたのであろう、ある意味クタクタになった古いものばかりですが、飾ったり、お茶を飲む時に見立てにそっと加えたりして、その背景に思いを馳せたのしんでいます。


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